OpenID ファウンデーション・ジャパンからのお知らせ
2014年2月27日
一般社団法人 OpenIDファウンデーション・ジャパン
OpenID Foundationが、パーソナルデータ流通時代を支える
アイデンティティAPI標準仕様「OpenID Connect」を発表
一般社団法人OpenIDファウンデーション・ジャパン(代表理事: 八木晃二、以下OIDF-J)は、パーソナルデータ流通時代を支えるアイデンティティAPI標準技術である「OpenID Connect」の仕様が、米OpenID Foundationを通じて最終承認されたことを発表します。また、これに合わせ、OpenID Connectの仕様群の日本語訳も公開しました。
近年パーソナルデータの活用と保護に関する議論が高まり、日本のみならず世界的に、利用者のプライバシー強化を実現する技術の標準化が求められています。これらを背景とし、パーソナルデータのコントロールを利用者中心に行うことを目的とした認証プロトコル「OpenID Connect」の開発が推進されてきました。
OpenID Connectは、企業や技術者が、様々なWebサイトやモバイル・アプリケーションの間でデジタル・アイデンティティ情報を流通させるシステムを、簡単かつ安全に実現するための仕様です。同仕様は、すでにGoogle、Microsoft、Deutsche Telekom、 Salesforce、 Ping Identityといった企業のサービスに実装されています。また、日本においても、ヤフー株式会社、ミクシィ株式会社などの企業のサービスでサポートされています。
米OpenID Foundationのエグゼクティブ・ディレクターのドン・ティーボウは、同仕様のリリースにあたって、こう述べています。「OpenID Connect の発表は、世界中で相互運用可能なオンライン・アイデンティティを展開するための画期的な節目となります。この標準は、業界で競合している企業が、協調して開発したものです。今後英GSMアソシエーションを通じて、世界のモバイル事業者800社以上にも適用される可能性もあります。」
米Googleのアイデンティティ担当グループ・プロダクト・マネージャーのエリック・サックスは、次のように述べています。「認証サービス事業者として、GoogleはOpenID Connectをサポートします。我々は、この標準技術によって、利用者のパスワード入力の手間が省け、インターネットの利用がより簡単になることを期待しています。」
また、米MicrosoftのActive Directory担当プログラム統括部長のアレックス・サイモンは、以下のコメントを寄せています。「MicrosoftがOpenID Connectの主要なコントリビューターになれたことを喜ばしく思います。OpenID Connectは、シンプルで柔軟かつセキュアなアイデンティティ・プロトコルの要件を全て満たしています。そして、OAuth 2.0への投資をそのまま活用することができます。Windows Azureは既に全てのデータセンターで、OpenID Connectを使用しています。」
日本においては、大手ポータルサービス、Eコマース、ソーシャルネットワーキングサイトにて、OpenID Connectは既に実装されており、利用者の利便性を高め、セキュリティとプライバシーを強化し、アイデンティティ情報を利用した様々なサービスに適用されています。また、OpenID Connectに対応した企業向けソフトウェア製品も、様々な企業から提供されています。
OIDF-Jの代表理事 八木晃二は、次のように述べます。「OpenID Connectが最終承認されたことをとてもうれしく思います。政府では、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度の導入や個人情報保護法改正を視野に入れたパーソナルデータ活用の検討が進んでいます。利用者の同意を起点とするID連携は、これからの日本企業のビジネス拡大を支える重要な役割を果たすことになるでしょう。日本でも、OpenID Connectをベースとしたイノベーションがさらに活性化することを期待します。」
OpenIDファウンデーション・ジャパンは、会員企業や技術者コミュニティと共に、OpenID Connectの啓蒙・普及を通じて、オープンなパーソナルデータ・エコノミーの成長を支援していきます。
OpenID Connect 仕様群 日本語訳
※ 上記以外の仕様群につきましては、順次公開予定です。
OpenID Connect をサポートする企業・団体から寄せられたコメント(50音順)
その他 OpenID Connect の発表を支援する企業・団体(50音順)
OpenID Connect とは
OpenID Connect は、サービス間において利用者が中心となってアイデンティティ情報(認証結果、属性情報)を流通させるための仕様です。利用者は、あるサイトのIDを用いて別のさまざまなサイトにログイン可能になるとともに、それらのサイトにパスワードを登録する必要がなくなり、利便性とセキュリティを向上させることができます。 同仕様はアクセス認可のフレームワークとして普及が進んでいるOAuth 2.0をベースとしていることから、API連携との親和性が高く、多くのサービス事業者にて採用が進んでいます。
OpenIDファウンデーション・ジャパンについて http://www.openid.or.jp/
OpenIDファウンデーション・ジャパンは米国OpenID Foundationの公認団体です。「OpenID Connect」をはじめとする技術の利用促進を図り、会員企業と共に啓蒙活動をしています。 またサービス事業者間の「トラストフレームワーク」の構築などの取り組みを通じて、インターネットをより信頼可能で安全なものにするための活動も行っています。
米OpenID Foundation について http://openid.net/
OpenID Foundationは、OpenID技術を実現、促進、保護する個人と企業によって構成される国際的な非営利団体です。2007年6月に設立され、開発者やベンダー、一般利用者によるオープンなコミュニティを代表する公式の組織として活動しています。OIDFは、Google, Microsoft, Symantec, Paypal, Yahoo, Verizon, Ping Identityを始めとした、業界をリードする企業によって運営され、OpenIDのブランドや知的財産を管理し、OpenID技術が世界で広く普及されるために必要なプロモーションやインフラを提供しています。
本ニュースリリースに関するお問い合わせ先
一般社団法人OpenIDファウンデーション・ジャパン 工藤/金城
Tel: 03-6706-0231
e-mail: contact@openid.or.jp
* 本ニュースリリースは、米OpenID Foundationが米国時間 2014年2月26日に発表したニュースリリースを一部抄訳したものに、日本国内での発表を加えたものです。